日本物理学会誌
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ビッグバン元素合成 (解説)
市川 和秀川崎 雅裕郡 和範
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2010 年 65 巻 7 号 p. 535-544

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抄録

ビッグバン元素合成が宇宙の標準理論を支える柱の一つとなってから久しい.そしてその成功により,地上では検証できないような理論を調べるための「実験室」としての役割も果たしてきた.本記事では観測の進歩が著しい近年の宇宙論におけるビッグバン元素合成にまつわる話題を紹介する.宇宙背景放射観測が精密化する中での軽元素観測の進展と浮かび上がってきた問題点を述べるとともに,素粒子標準理論を超える理論として注目の超対称性理論への手がかりがビッグバン元素合成から得られることを解説する.ビッグバン元素合成はこれからも天体物理・原子核物理・素粒子物理といった広範囲の物理の未知の領域と関わり,発展を共にしていくであろう.

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© 2010 一般社団法人 日本物理学会
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