日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
Print ISSN : 0029-0181
ISSN-L : 0029-0181
微分方程式の縮約と包絡線―くりこみ群法の幾何学的解釈と不変多様体の構成 (解説)
国広 悌二
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 65 巻 9 号 p. 683-690

詳細
抄録

くりこみ群方程式を用いた非線型方程式の漸近解析の方法を発展方程式の縮約への応用に焦点を絞り,初等的且つ明快な手続きとして解説する.そこでは,永年項を含む摂動解の包絡線として大域解を構成することで不変多様体の構成とその上での縮約された方程式の導出が達成される.くり込み群方程式が包絡線方程式として解釈できることを示す.くり込み群の方法に基づく縮約理論は,非線形振動子に対するKrylov-Bogoliubov-Miteopolskyや蔵本によって定式化された縮約の一般論によく対応することが強調される.

著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top