日本物理学会誌
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実験家から見た計算物理学 (<特集> 物性における計算物理)
長谷田 泰一郎
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1985 年 40 巻 11 号 p. 897-906

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抄録

計算物理実験とはどんな実験なのか, これ迄, 現実の時間空間の中で現実の物質を対象に実験をしてきた一人の実験家があらためて考え直してみた感想と意見と提案が述べてある. 計算物理実験は仮想的な系についての実験を可能にするわけで, この事は物理学の中で実験も理論も何が目標であるのかを問い直されることになる. いずれも自然の論理構造の新しい発見が目標なのであって, その為にそれぞれはどのように役目を分担しているのか. 研究課題の具体的な分類学を試みてある. また温度バルクハウゼン効果と名付けている未解決の現象についての本当の実験と計算機シミュレーションを平行して行い, 相互比較の中から計算物理実験の今後の方向を探ってみる.

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