抄録
数値流体と言うととかくテクニックの必要な難しいものとの認識を持っている人が多い. ここでは, 一般的な双曲型の方程式 (所謂, 移流項を含む方程式) の数値解法の, ある方面から見た歴史と, これを簡単に精度良く行う最近の手法を, 肩の凝らないように解説する. また特性線, 誤差 (振幅及び位相) 解析, 通信でよく用いられる標本化定理とエリアジング (エイリアンと同じ語源) など, 一つの手法を色々な視点から複眼的に眺める. 最後に, 現在全く独立に発展してきて, お互いに協調できなくなりつつある非圧縮性流体と圧縮性流体の計算手法を, 一つの手法で統一的に記述する可能性とその実例について紹介する.