日本物理学会誌
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量子モンテカルロ法による電子物性研究 : 道具立ての話とハバード模型の物理の話と (<小特集>「第一原理による電子物性」)
今田 正俊
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1993 年 48 巻 6 号 p. 437-446

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抄録
「量子モンテカルロ法」とは何だろうか?多体量子系に対する数値計算の手法はいろいろあるが,そのうち「量子モンテカルロ法」は経路積分に基礎を置くものの総称である.経路積分が典型的な非摂動論的手法であることは知られている.ところで,物性物理学の研究の動向に目を向けてみると,強く相関する電子系の諸問題が困難な,しかし根本的な課題として広く認識されている.やや誇張していえば,強相関電子系の長い研究の歴史にもかかわらず,はっきりしたことは何も解明されていないというわけである.世に言う「高温超伝導」(すなわち銅酸化物超伝導体)の問題がその典型である.強相関電子系にアタックするのに適した非摂動論的手法として,「量子モンテカルロ法」の開発と応用が最近進んできた.まず開発途上のこの手法の現状に目を向けるのがこの解説の目的の一つである.強相関電子系の示す典型的な現象にモット転移(金属-絶縁体転移)がある.金属が絶縁体に転移するとき,電子の有効質量が発散するのか,それともキャリアの数がゼロになるのかという異なる二つの考え方がある.この対立概念を源として,金属-絶縁体転移に関する量子モンテカルロ計算の結果はより広範で基本的な問題提起へとつながってゆく.この問題を「量子モンテカルロ法」の応用例として考えてみるのが本稿のもう一つの目的である.
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