日本物理学会誌
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宇宙の超高エネルギー現象を解明する宇宙線望遠鏡計画
福島 正己吉田 滋
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2000 年 55 巻 12 号 p. 924-932

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抄録

地球に降り注ぐ宇宙線には極めてエネルギーの高いものがあって,1020電子ボルトを超えるものが,これまでに8例発見されている.超高エネルギーの宇宙線は,3Kの背景放射に遮蔽されて3億光年より長い距離を伝播することはできないから,これらの宇宙線は銀河系近傍の天体で加速されたと考えるのが自然であるが,その到来方向には加速源となる高エネルギーの天体が見つからない.この矛盾を説明するために,宇宙紐,磁気単極子,寿命の長い超重粒子などの崩壊による2次粒子起源説,あるいは特殊相対論の破れなど,宇宙論や素粒子論に関連した仮説が提案されている.宇宙線望遠鏡(Te1escope Array)計画は,米国ユタ州の砂漠に空気シャワーの発生する大気蛍光を検出する反射望遠鏡群を設置し,数万平方キロの領域に到来する超高エネルギーの宇宙線を観測する.これによって宇宙線のエネルギー・到来方向・粒子種を精密に決定し,超高エネルギー宇宙線の発生起源解明を目指す.

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© 社団法人 日本物理学会
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