日本物理学会誌
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ASTRO-E衛星搭載X線マイクロカロリメータ
満山 和久藤本 龍一
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2000 年 55 巻 5 号 p. 340-348

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抄録

大多数の放射線検出器は,放射線によるイオン化によって生じた電荷を何らかの方法で電気信号に変換し,放射線を検出する.これに対しマイクロカロリメータは,放射線の吸収により生じた熱を温度変化として検出する.我が国5番目のX線天文衛星ASTRO-E衛星には,高い検出効率と高いエネルギー分解能を兼ね備えたX線分光検出器としてX線マイクロカロリメータが衛星としては史上初めて搭載されている.ここでは,X線マイクロカロリメータの動作原理,ASTRO-Eに搭載される検出器の構造,素子を動作温度60mKに冷却する冷却システムについて解説する.最後に,地上試験で実証された検出器の性能と,その性能(~10eVのエネルギー分解能)により期待される宇宙観測の新しい展開について述べる.

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