抄録
原子核における三体力の研究は古くからなされているが, 今まで三体力について良くは知られていない. 最近になり中間エネルギー領域での陽子重陽子弾性散乱において三体力効果が大きく現れるとの示唆が理論的になされ, にわかに三体力の研究が現実的なものとなった. 我々は, 実験的に三体力の検証を行うため, 微分断面積とスピン観測量についての高精度測定を行った. 理論との比較から, 三体力の存在の確証を得たが, そのスピン依存性に関しては現在使われている三体力のモデルでは実験値を再現できないことが明らかになった.