抄録
OCTAはNEDOの産学連携プロジェクトで開発されたソフトウェアである.このプロジェクトでは,ソフトマテリアルの特性を予測するためにメンスケールを扱う様々なシミュレータが開発されたが,それらをどのような仕組みで統合化するかが大きな問題となった.私たちはUDF(User Definable Format)というデータ形式をベースにしたオープンな統合化の方式を採用した.その結果OCTAは,一般の研究者にも有用な計算科学のツールとなっている.ここではOCTAの開発の中で,どのような困難があり,私たちがどのように考え,どのようなものを作ってきたかについて解説をする.