日本物理学会誌
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星の位置変動測定による天の川銀河の解明 : 大規模な自己重力多体系の力学構造を求めて
郷田 直輝
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2005 年 60 巻 10 号 p. 775-782

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抄録

夜空に輝く星の位置とその変動を観測する位置天文観測は, いにしえから人類が新たな自然の法則を見出すことを目指して続けてきた営みである.20世紀の末になり, 大気に邪魔されず精度良く観測できる宇宙空間での観測が初めて行われた.21世紀になり, さらに高精度な観測の計画が進行中である.本文では, 位置天文観測の歴史と意義, 観測精度の現状と今後に関して, また, 天の川銀河という自己重力多体系の力学構造の解明など今後の位置天文学の発展によって期待される科学的成果の具体例, さらにいくつかの高精度位置天文観測計画の紹介, 最後に日本独自で検討開発を進めている赤外線位置天文観測衛星(JASMINE: ジャスミン)計画の紹介を行う.

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