日本・スペイン・ラテンアメリカ学会誌
Online ISSN : 2189-9568
Print ISSN : 1344-9109
インフォーマルなコンテクストにおけるスペイン語(及び他の外国語)学習
Daniel Cassany
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 33 巻 p. 5-23

詳細
抄録

デジタル化、グローバル化の進展、また様々な種類の文化的産物や文化活動へのアクセスが可能になったことより、世界のどこからでも、あらゆる活動や分野において、スペイン語圏の言語や文化に触れることが容易になった。近年の若者の多くは、スペイン語のテレビドラマに興味を持ったり、サルサを習ったり、スペイン語で音楽を聴いたり、スペイン語を話す仲間と一緒に好きなビデオゲームを行ったりしている。この種の(オーセンティックで、洗練されており、多言語で、多様な形式の)社会的・余暇的活動により、多くの若者は教室外で、教科書や公的なカリキュラムなしに、協調的かつ意欲的にスペイン語能力を向上させている。

本稿では、このような活動のいくつかの例を、スペイン語(Zhang & Cassany, 2019a, 2019b, 2019c)および他の言語(Shafirova et al, 2019 and 2020a; Vázquez et al. 2020)で収集し、民俗学的アプローチ(生態学的及びイーミック)から、New Literacy Studies の視点を採用して分析し、最後に新しい現実に対して教師が取るべき態度について考察を行う。その目的は、これらの有する多大な可能性を活用し、学習者の興味や日々の活動に結びついた、よりグローバルで統合されたELEの教育へと移行していくことである。

著者関連情報
© 2022 日本・スペイン・ラテンアメリカ学会
次の記事
feedback
Top