2024 年 26 巻 1 号 p. 13-21
これまでのマインドフルネス瞑想を用いてレジリエンスを向上させるトレーニングでは,心理教育といくつかのマインドフルネス瞑想を組み合わせたトレーニングが主に使用されており,どの要因によってレジリエンスが向上したのか明らかになっていなかった。そのため,本研究では,マインドフルネス瞑想の中でも静座瞑想のみを使用してレジリエンスが向上するのかを検討した。マインドフルネス瞑想が未経験の海上自衛隊員21 名に対し,静座瞑想を8 週間行い,マインドフルネス,レジリエンス,抑うつの各尺度を用いて検証した。その結果,マインドフルネス,レジリエンス,レジリエンスの下位因子である新奇性追求,感情調整,肯定的な未来志向,および抑うつ得点が有意に変化した。さらに変化量の相関を分析したところ,マインドフルネスと,レジリエンス,新奇性追求,感情調整,抑うつが関連していた。本研究の特徴として,静座瞑想のみでもレジリエンスが向上する可能性と,新奇性追求とマインドフルネスに関連があることが示された。