脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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シンポジウム2 神経保護と神経再生
ワルファリン誘発出血性梗塞に対するシロスタゾールの保護作用の検討
北庄司 輝原 英彰
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2014 年 25 巻 2 号 p. 57-61

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抄録

現在,出血性梗塞に対する有効な治療法はなく,ワルファリンによる出血性梗塞の増大は致命的であるため,その治療法の確立が不可欠である.抗血小板薬であるシロスタゾールは神経保護作用および血管内皮細胞保護作用を含む様々な保護作用を有することが知られているが,ワルファリン服用患者には慎重投与とされている.本研究では,シロスタゾールがtight junction proteins およびVE-cadherin を増強することで,ワルファリンによる出血性梗塞の増悪を抑制することを明らかにした.また,末梢からの出血時間も延長させなかったことから,本研究が臨床に応用できる可能性も示唆された.

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© 2014 日本脳循環代謝学会
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