2015 年 26 巻 2 号 p. 135-139
要旨 高齢化社会を迎え,脳卒中医療の重要性はますます高まっている.次世代の脳梗塞治療法の開発には炎症を制御することが重要であると考えられる.脳梗塞後の炎症の惹起には,虚血壊死に陥った脳組織から放出されるDAMPs,DAMPs を認識する炎症細胞の活性化,インフラマソームの活性化によるIL-1βの産生など,様々なメカニズムが寄与していることが明らかとなった.脳梗塞後の炎症の経過をさらに詳細に解明することにより,適切な炎症の制御を行うことで新規の脳梗塞治療法を開発できる可能性がある.