脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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超急性期脳梗塞に対するrt-PA 静注療法
木村 和美
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2015 年 26 巻 2 号 p. 177-179

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抄録

要旨 遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベーター(recombinant tissue plasminogen activator: rt-PA)の脳梗塞急性期への研究は,1995 年に発表されたNINDS 研究の結果を基に,1996 年に米国のFood and Drug Administration(FDA)がalteplase を承認し,その後,世界中で広くrt-PA 静注療法が行われるようになった.日本では米国における認可から10 年遅れ臨床試験を経て,ようやく2005 年10 月にalteplase の使用が承認された.その後,多くの研究で発症4.5 時間までは有効の可能性が示され,わが国でも2012 年9 月から発症3 時間以内から4.5 時間までに延長され現在に至っている.われわれは,t-PA 静注療法時にMRI を駆使した研究を行ってきた.本稿では,t-PA 治療前のDWI 所見と転帰,t-PA 治療と右左シャントの関連,M1 susceptibility vessel sign(M1 SVS)と再開通現象,早期再開通現象が見られない因子,t-PA 治療とmicrobleeds の意義について,われわれの行ってきた研究を中心に概説する.

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© 2015 日本脳循環代謝学会
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