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脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
Vol. 28 (2016-2017) No. 2 p. 265-271

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http://doi.org/10.16977/cbfm.28.2_265

原著

慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)は脳心血管病の高リスク病態である.脳の磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging: MRI)で認められる,大脳深部白質病変(deep subcortical white matter hyperintensity: DSWMH)は脳小血管病の一つである.DSWMHは非CKDでは脳卒中に高率に合併し動脈硬化性変化と強い関連があり,将来的な脳卒中や認知症,うつ病などの発症に関連することが知られている.このたび,CKDとDSWMHが関連するか,横断的に検討した.2008から2011年に脳ドックを受診した健常者100名と,腎臓内科を受診し,腎代替療法未実施の明らかな神経学的異常がないCKD症例に,1.5テスラの脳単純MRIを撮像した.CKD例はstage G1~2:140例,G3:125例,G4:107例,G5:133例の計505例が試験に参加した.DSWMHは健常群の27例(27%),CKD群の295例(58%)に認められた.CKDでのDSWMH合併群は非合併群に比し,高齢・高血圧・高喫煙率・糖尿病合併・貧血であった.早期CKDのDSWMH合併率は健常群と変わらなかったが(G1~2:26%),晩期CKDになるにつれ合併率は高くなり(G3:59%,G4:74%,G5:78%),DSWMH病期進行例も増えた.さらに腎機能低下は年齢・性・糖尿病・血圧で調整した多変量解析においても,統計学的に有意であった(eGFR: p<0.01, オッズ比 1.01, 95%信頼区間 1.00‒1.03).腎機能低下はDSWMHの独立した関連因子と考えられた.

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