脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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シンポジウム 4 神経画像最前線
アルツハイマー病の画像診断―voxel-based morphometryと人工知能によるアルツハイマー病スコアの有用性
椎野 顯彦岩本 祐太郎韓 先花陳 延偉
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2017 年 28 巻 2 号 p. 303-308

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抄録

Voxel-based morphometry(VBM)はMRI画像から脳の局所的な体積を統計学的に解析するもので,z値として画像表記する手法はSPECTにおけるeZIS(easy z-score imaging system)やiSSP(interface software of 3D-SSP)と共通している.今回我々はVBM統合ソフトであるBAAD(Brain Anatomical Analysis using Diffeomorphic deformation)に人工知能(AI(artificial intelligence))を搭載し,複数の関心領域の情報からアルツハイマー病(Alzheimer’s disease: AD)である確率をADS(Alzheimer’s disease score)として提示させた.AIはRBF(radial basis function)カーネルによるSVM(support vector machine)を基本とし,スラック変数と境界マージン緩和の調整のための学習には北米のADNI(Alzheimer’s disease neuroimaging initiative)データベース(AD=314,健常者=386)を用い,交差検証にはleave-one-out法を用いた.これによるADSの正答率と検査後オッズは89.6%,134.1であった.適合性の評価としてオーストラリアのAIBL(Australian imaging, biomarker & life style flagship study of ageing)データベース(AD=72,健常者=447)を用いVSRAD(voxel-based specific regional analysis system for Alzheimer’s disease)と比較した.ADSの正答率と検査後オッズは86.1%と47.9で,VSRADの84.8%と14.9に比べて高い予測能力を示した.人工知能は多くの情報量を単純化することによって,日常診療における診断のサポートに役立つことが期待できる.本稿ではVBMの概要を紹介し,ADSの有用性についての検証結果を報告する.

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© 2017 日本脳循環代謝学会
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