脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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脳梗塞後の機能回復を目指したミクログリアによる細胞療法
金澤 雅人高橋 哲哉小野寺 理下畑 享良
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2017 年 28 巻 2 号 p. 315-320

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抄録

脳梗塞後遺症の機能を回復させる治療法の確立が望まれている.ミクログリアを保護的ミクログリア(M2)に変化させる低酸素低糖刺激(OGD)の条件を決定し,M2-likeミクログリアを亜急性期に投与することで,脳虚血後の機能予後を改善させることが可能かを検証した.初代ミクログリアの培養上清を試料として,血管内皮増殖因子(VEGF),トランスフォーミング増殖因子(TGF-β),およびマトリックス・メタロプロテナーゼ(MMP)-9活性を測定したところ,18時間のOGD後,M2極性となっていることがわかった.さらに,ラット一過性局所脳虚血モデルに対し,虚血7日後,M2-likeミクログリアを投与したところ,虚血中心の辺縁部におけるVEGF,TGF-β,MMP-9の発現は増加し,さらに同部位の血管新生,ペナンブラにおける軸索伸展は,非投与群と比べて促進され,虚血4週間後の機能を回復させた.OGDによりM2化したミクログリアを用いた細胞療法は,従来にない治療戦略になるものと考えられる.

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© 2017 日本脳循環代謝学会
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