この論文では、ユニバーサル力場(UFF)を修正した新しい力場を提案する。UFFは、分子力場計算や分子動力学計算で広く用いられているが、例えば水素結合を正しく見積もることには不向きである。そこでUFF力場に、静電項の計算に修正電荷平衡(MQEq)法を、van der Waals項の計算にスケール因子を組み合わせた、新しい可変電荷力場である、拡張ユニバーサル力場(XUFF)を提案する。MQEq法のパラメータとスケール因子は最適化を行い、ABINIT-MPプログラムへ実装した。XUFFが、水素結合が関与した分子ペア、リガンド、タンパク質などの分子配置解析に有用であることを示した。