J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

Chem-Bio Informatics Journal
Vol. 17 (2017) p. 53-71

記事言語:

http://doi.org/10.1273/cbij.17.53

Original

遺伝子発現データから有用な情報を抽出する手段の一つとして,遺伝子ネットワークに注目が集まっている.これまでに多くの遺伝子ネットワーク同定法が開発されている.しかしそれらの方法には一般に,多くの偽陽性相互作用を出力するという問題がある.偽陽性相互作用の数を減らすための方法の一つとして,対象のネットワークの性質を事前知識として利用する枠組みがある.これらの枠組みは,対象ネットワークが各相互作用を持つか否かを判断するために,計測された遺伝子発現データと与えられた事前知識を同時に利用する.これに対して本研究では遺伝子ネットワーク同定後に事前知識を利用する新たな枠組み“using a priori knowledge after genetic network inference”を確立する.この枠組みでは事前知識を,既に他の遺伝子ネットワーク同定法によって同定されたネットワークを改善するためだけに利用する.この枠組みに基づき,本研究では複数の事前知識を利用する新たな遺伝子ネットワーク同定法を開発する.提案手法は効果的に複数の事前知識を利用することで,全遺伝子間相互作用に対して自信度を割り当てる.実験において人工的な遺伝子ネットワーク同定問題と実際の遺伝子ネットワーク同定問題に適用することで,提案手法の有効性を確認する.提案手法によって複数の事前知識を利用して改善できる性能は僅かであるが,提案手法の枠組みは多くの遺伝子ネットワーク同定法に適用することが可能であり,それらの手法の性能を改善することができると考えられる.

Copyright © 本論文著者

記事ツール

この記事を共有