Chem-Bio Informatics Journal
Online ISSN : 1347-0442
Print ISSN : 1347-6297
ISSN-L : 1347-0442
Original
ミオグロビン、ヘモグロビンにおける二次構造ブレイカとヘアピン構造のメカニズム
今井 賢一郎朝川 直行辻 敏之園山 正史美宅 成樹
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 5 巻 3 号 p. 65-77

詳細
抄録

二次構造ブレイカやヘアピン構造形成は、タンパク質の構造形成に対して強い制限を与える。そこで、典型的なall-α型のタンパク質であるミオグロビン、ヘモグロビンに注目し、二次構造ブレイカとヘアピン構造のメカニズムについて解析を行った。以前の研究で、我々は、二次構造ブレイカにはプロリン、グリシン、両親媒性残基の3種類があることを示した。これら3種の二次構造ブレイカを予測する方法でミオグロビン、ヘモグロビンのアミノ酸配列を解析したところ、ループ構造の7本中5本がこれらのブレイカによって折りたたまれていることがわかった。さらに電荷分布の対称性を調べたところ、電荷分布の対称性とヘアピン構造には高い相関があることが見出され、電荷分布の対称性がヘアピン構造形成の駆動力になっていることが示唆された。これらのことから電荷の対称性と二次構造ブレイカに注目することで、ミオグロビン、ヘモグロビンのすべてのループの折りたたみをとらえることができた。

著者関連情報
2005 Chem-Bio Informatics Society
前の記事
feedback
Top