抄録
本稿では、世帯の車・バイクの運転有無の違いに着目し、徳島県上勝町における75歳以上の高齢者世帯21世帯の食料品入手を検討した。上勝町では、店舗販売や移動販売、配達により、食料品入手環境が多層的に構成されている。調査対象世帯では、加齢に伴い運転有無の違いが生じていたが、食品摂取は運転有無にかかわらず一定の多様性を持っていた。こうした食品摂取は、運転あり世帯と運転なし世帯ともに、品目による入手方法の使い分け、自給農業と町内外からの購入を核とした複合的な食料品入手によって支えられていた。世帯の運転有無の違いとして、運転あり世帯の方が自立的に食料品を入手し、店舗購入の頻度は高く、その地理的範囲は広かった。ただし、加齢により、食料品の購入に関わるサポートやサービスの導入は増加しつつあった。運転なし世帯では、購入に関するサポートやサービスの導入により食料品入手の複合化がより進んでいた。