抄録
本研究は,様々な自動車CO2対策の効果を総合的に評価でき,各対策の重複効果を考慮した削減効果の推計が可能なモデルの構築を行うことを目的としたものである。本推計モデルは,①保有台数サブモジュール,②燃料消費率サブモジュール,③年間走行距離サブモジュール,④総括モジュールの4つのサブモジュールから構成されている。各モジュールにおいて計算された値に基づき,自動車のCO2排出量を車種・登録年度別に算定できる。各対策を個別に計算した場合(それぞれの対策効果の単純積算)と,重複効果を除外して推計した場合(現行推計ケースのCO2排出量と対策ケースのCO2排出量の差)を比較すると,CO2削滅量の誤差が非常に大きくなる場合があることがわかり,本モデルの有効性を示すことができた。