主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 201-206
世界自然遺産(屋久島,白神山地,知床,小笠原諸島)と文化遺産(富士山)を対象とし,PES の 一類型である入域料への支払意志額とその規定要因について計量分析を行った。入域料の中央値WTP は1125~1569 円,平均値WTP は2200~2890 円であった。また,訪問経験を有する回答者のWTP は自然遺産について統計的に有意に高かった。入域料徴収目的としては動植物の保護が高く評価され,WTP を高める要因となった。入場者数抑制についても回答者は重要性を認識し,島嶼地域においてWTP を高める要因となった。入域料徴収のためのゲート方式の導入は,フリーライドを回避する効果のあることが示された。