環境情報科学論文集
Vol.29(第29回環境情報科学学術研究論文発表会)
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北アルプスにおける遭難実態と登山リスクに対する登山者の意識
小林 昭裕ジョーンズ トマス
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p. 241-246

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抄録

遭難防止に率先的に取り組む長野県警の協力を得て,山岳遭難事故データの解析を行った。その結果,遭難の 態様は空間次元(山域,気象),時間次元(年,月,時刻),登山者属性(性,年齢,構成人数)と密接な関係があることが判明した。また,白馬岳と槍穂高山域でのアンケート調査から,山岳遭難に関する情報を得た割合は半分に満たず,ケガやヒヤリとした主要因を利用者は外的要因(自然環境)というより,自身の内的要因(精神的・肉体的)と認識していた。遭難実態と意識分析の結果を総合すると,遭難事故データの記載項目の見直しや,山岳遭難実態分析から得た知見情報提供を通じて,登山者の危機意識や備えを高めうると考えられた

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© 2015 (社)環境情報科学センター
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