近年我が国の河川で増加している外来植物ヒメツルソバについて,その基礎的生態を明らかにするため,本種の種子の発芽に及ぼす光と温度の影響を発芽試験により確認した。2015 年春に野生株から採取した種子を用い,光の有無,温度交代の有無,三段階の温度条件による試験区を設けた。各区の平均発芽率について比較すると,光の有無や温度交代の有無では平均発芽率に有意差は無かった。また平均気温が30℃の条件下では25℃と比較し平均発芽率が有意に低くなった。以上のことから,ヒメツルソバの発芽には光環境はあまり影響せず,また30℃以上の高温は本種の発芽を阻害することが示唆された。