主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 133-138
水陸両生の侵略的外来植物の対策事例に関し,早期対応が実際に行われたかどうかを確認した。その結果,ある程度問題が深刻化してから本格的な対策が行われたことを確認した。早期対応論に反し、政策過程では早期であるからこそ行政主体により問題が見過ごされている。その主な要因として,①科学的不確実性が大きいため過小評価されがちであること,②財源制約,③誰が対策を行うべきか法制度上明らかではないこと,④当初社会の関心が低く政治的圧力が弱いことが考えらえる。対策を促進する要因として,①事態の深刻化,②専門家や地域の有力環境団体からの働きかけ,③外部資金の提供,④協議会の設置,⑤政治的指導力が考えられた。