いなみ野台地のため池群が保全管理の危機に直面している。本研究では,ため池について文献調査,ヒアリング調査,および明石市で管理者アンケート調査を行い,いなみ野ため池ミュージアムでのアンケート調査結果を踏まえて,その実態と経緯,問題点を明らかにし,保全管理のための解決策を提案することを目的とした。その結果,1960 年代からの50 年間に現在のため池の保全管理の危機を招いたことが明らかとなり,ため池を存続させるためには,ため池の保全管理への地域住民の参加をさらに高めることが重要であり,広報誌の有効利用および地域住民への意見聞き取り調査の実施が重要であることを示した。