環境情報科学論文集
Vol.32(第32回環境情報科学学術研究論文発表会)
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研究論文
ヒヤリハット体験における主因及び背景・間接要因の分析に基づく山岳遭難予防策の検討
小林 昭裕ジョーンズ トマス
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p. 167-172

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抄録

遭難発生は,一連の要因が連鎖することによって起きるとされる。本研究では要因の連関を把握する始動的試みとして,ヒヤリハット体験の主因と背景・間接要因に着目し,要因の関係性,およびヒヤリ体験時の状況や回答者属性による要因の違いなど,要因の特性を検討した。その結果,主要因および背景・間接要因に対する出現頻度の違いや,主要因と間接要因との関係性に一定のパターンが確認された。また,パターンの特性をもとに,要因の連鎖という観点で議論を進める可能性が示された。さらに,主要因に対する回答者の個人属性の違いや,遭難発生時の状況との関連性に相違が認められ,結果の解釈や今後の調査方法上の留意点が確認された。

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© 2018 (社)環境情報科学センター
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