環境情報科学論文集
Vol.37(2023年度 環境情報科学研究発表大会)
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報告
再生可能エネルギーの地域立脚性に関する考察
事業主体と災害リスクの観点から
金 再奎岩川 貴志松井 亜紀
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p. 294-299

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抄録

滋賀県における太陽光発電による固定価格買取制度(FIT)認定事業を対象に,発電施設の所在地とそれを所有する事業者の所在地との関係性や,自然災害発生時の活用可能性を分析した。脱炭素社会の実現のために,再生可能エネルギーの大幅導入が不可欠である一方,その活用は,資金力で勝る都市部の事業者らが主体となって大規模な設備導入を行い,その収益が都市部へと吸収されているケースが多い。また,施設の多くが洪水や土砂災害リスクの高い立地特性を有している現状が明らかとなった。再生可能エネルギーの導入にあたっては,単なる収益やCO2排出量の削減だけではなく,周辺地域の地理的特性や住民への配慮,地元にとってのメリットといった「地域立脚性」を十分に考慮することが必要である。

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© 2023 (一社)環境情報科学センター
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