セメント・コンクリート論文集
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コンクリートの試験・評価
EPMA分析に基づくコンクリートの鉛直打継ぎの界面処理に関する考察
佐藤 あゆみ石山 智山田 寛次
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2012 年 66 巻 1 号 p. 251-258

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抄録

コンクリート構造物に生じる打継ぎ界面では、付着性能(強度と靱性)を向上させることが重要な課題である。本研究では、その付着性能向上に向けた検討を深めるために、界面の処理目的として周知の脆弱層除去と凹凸による嵌合強化以外にはないのか、改めて検討した。打継ぎ界面近傍のEPMA観察と破壊靱性試験を行った結果、先打ち部の界面処理による凹凸は、嵌合の強化と同時に後打ちで生じる脆弱層の分散にも寄与して、付着性能向上に役立つことを明らかにした。また脆弱層の観察手法に関する新たな提案を行うと共にそれを用いて脆弱層の形成機構の考察を行った。さらに界面における付着性能を得るために必要な目荒し深さの定量的な根拠を示した。

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