本研究では現在JIS規格はあるがほとんど生産されていない高炉セメントA種に着目し、高炉セメントA種の強度発現と水和反応に及ぼす無水石こうや石灰石微粉末の影響について検討した。水和反応の評価にはX線回折/リートベルト解析の外部標準法を用いた。その結果、高炉スラグ微粉末の混合量が20%の高炉セメントA種を用いたモルタル圧縮強度は、初期材齢で普通ポルトランドセメント(OPC)の75%程度、材齢91日までにOPCと同等となった。無水石こうや石灰石微粉末の混和による圧縮強度の変化は、水和反応解析により求めたセメントや高炉スラグ微粉末の反応率、水和生成物量、空隙量の変化でよく説明できた。