セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
サーモポロメトリーを用いた空隙構造測定に基づくセメント硬化体の物性評価
宮本 正紀胡桃澤 清文名和 豊春
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2015 年 69 巻 1 号 p. 183-190

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抄録

セメント系材料の物性を空隙構造から予測することが求められているが、現在広く用いられている水銀圧入法は、前処理における乾燥や高圧力による内部構造の変化が指摘されている。そこで水銀圧入法の問題点を改善しているとされるサーモポロメトリーに基づく低温DSC測定から空隙構造を取得し、物性評価に用いることが可能かを検証した。低温DSC測定と水銀圧入法の結果を比較することにより水銀圧入法の乾燥と圧力による内部構造の変化の可能性を示し、低温DSC測定から取得できる総空隙量が水銀圧入法と同様の精度で物性を評価できることが明らかになった。また、取得した細孔径分布から塩化物イオン拡散に及ぼす影響が大きいしきい径が7nm以上であることを示した。

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