本研究ではフライアッシュのポゾラン反応の活性化が期待される硫酸塩刺激について、その活性化メカニズムを微視的に把握することを目的とした。硫酸塩刺激が内部から持続的にフライアッシュセメントペーストへ供給された場合の影響とその範囲についてビッカース硬度を用いて微視的に検討した。この結果、硫酸ナトリウム溶液および硫酸カリウム溶液を内部から供給すると、材齢1日においてエトリンガイトの生成を促進することにより、遷移帯の硬度を高くし、その領域を小さくする効果があることが明らかとなった。材齢7日以降の硬度は低下したが、遷移帯の領域は硫酸塩刺激をしない場合より小さく、骨材周りの細孔構造も緻密化していることが明らかとなった。