セメント・コンクリート論文集
Online ISSN : 2187-3313
Print ISSN : 0916-3182
ISSN-L : 0916-3182
セメント硬化体・モルタルの物性
セメント系硬化体の等価回路モデルに及ぼす空隙構造および細孔溶液組成の影響
宇内 大樹佐伯 竜彦斎藤 豪
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 70 巻 1 号 p. 185-192

詳細
抄録

電気化学的方法を用いた鋼材腐食の非破壊検査は、コンクリートの等価回路モデルを仮定する必要があるが、材料・配合と等価回路の関係は明らかになっていない。そこで種々の材料・配合のペースト供試体を用いて、空隙構造と細孔溶液組成が硬化体の等価回路の各成分に及ぼす影響を検討した。抽出した細孔溶液の電気抵抗率と、硬化体中における細孔溶液の電気抵抗率は異なり、その差異は空隙構造および細孔溶液組成によって評価できることが示唆された。電荷移動抵抗および電気二重層容量は液相-鉄筋界面の面積と細孔溶液組成の影響を受け、液相-鉄筋界面の面積を空隙構造から求めることで評価可能となることを示した。

著者関連情報
© 一般社団法人セメント協会
前の記事 次の記事
feedback
Top