2016 年 70 巻 1 号 p. 252-259
4種類のポルトランドセメントを用いて養生期間の異なるセメント硬化体の収縮ひずみを評価した。その結果、収縮ひずみは、セメント種類では低熱ポルトランドセメント(L)が最も大きく、次いで中庸熱ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントの順となった。また、Lは乾燥開始材齢が7日および28日の場合に、収縮ひずみの挙動が他のセメントと異なった。この理由として、乾燥期間中の水和の進行に拠り硬化体組織が変化し、これが収縮ひずみに影響を及ぼすことが示唆された。