セメント・コンクリート論文集
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高強度・高流動コンクリート
原子間力顕微鏡を用いたα-Al2O3表面に吸着したグラフトポリマーの形態観察
田中 健貴安藤 雅将葛間 夢輝名和 豊春
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2016 年 70 巻 1 号 p. 465-472

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抄録

α-Al2O3表面におけるポリカルボン酸系分散剤(PC)の吸着形態について、原子間力顕微鏡を用いて観察を行なった。原子間力顕微鏡で得られた形状像を見ると、液中PC濃度が極めて低い場合PCが独立して吸着していることが確認された。側鎖が短いPCでは、側鎖長よりも大きい吸着層厚さが確認され、ループ型の吸着が起こっていることが示唆された。フォースカーブ測定によると、吸着したPCの立体反発力がα-Al2O3表面近傍に作用する水和力よりも遠方で確認された。de Gennesの提案した吸着モデルと実測したフォースカーブのフィッティングから、ポリマーが柔軟に可動できる最小単位は2.1~2.2nmであり、側鎖長さが短いほど剛直な挙動を示すことが示唆された。

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