2016 年 70 巻 1 号 p. 47-53
本研究では硝酸型Ca-Al層状複水酸化物(LDH)のインターカレーション特性を明らかにするためにポリカルボン酸系分散剤(PC)を用いた吸着、及び共沈実験を行った。吸着実験よりCa-Al-LDH合成後にPCを添加しても層間に取り込まれないことが明らかになった。共沈実験からは、PCは硝酸イオンが共存しなければ層間に取り込まれ、微量でも硝酸イオンが共存すると取り込まれないことが明らかになり、収着競合は硝酸イオンの方がPCよりも優位的であることが示唆された。また、側鎖長の異なる2種類のPCが収着したCa-Al-LDHの層間距離が等しく折りたたまれた状態で層間に収着していることが示唆された。