コンクリート中におけるイオンの移動と化学反応を数値解析することによって、コンクリートの寿命予測や耐久性を評価するモデルを開発した。モデリングに際しては次の3点を基本としている。①可能な限り数理モデルを用いること、②入力するパラメータを一般的に取得可能なデータとすること、および③それぞれのモデルが十分検証されていること。このモデルは、一般的な構造物の塩害あるいは放射性廃棄物処分のような長期の溶脱に対する耐久性能照査ツールとして用いることが可能である。本稿ではモデリングの方法を示すとともに、供用開始から数十年が経過した実構造物との比較、および既存溶脱モデルとの比較検証により本モデルの適用性について述べる。