セメント・コンクリート論文集
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セメント系新材料
炭酸化養生したCa/Si比2.0 C-S-Hの低温焼成によるC2Sの合成に関する検討
近藤 祥太斎藤 豪鈴木 一帆細川 佳史
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2020 年 74 巻 1 号 p. 365-372

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抄録

本稿ではCa/Si比2.0のC-S-Hの炭酸化性状及び生成するC2Sの性状について報告している。Ca源にCaCl2を用いて合成したCa/Si比2.0のC-S-Hは炭酸化養生後に焼成しても、「高比表面積」を持つ高活性β-C2Sを得ることができた。また、Ca源にCa(NO32を用いて合成したCa/Si比2.0のC-S-Hは焼成前に炭酸化養生を施すことによって、水和活性のないγ-C2Sが優位の組成割合から、水和活性を示すα’-C2Sが優位の組成割合への変化が見られた。本研究によって、Ca/Si比2.0のC-S-Hは炭酸化の影響を受けても再生セメントサイクルを満たし、かつ炭酸化の積極利用によって付加価値の高い原料を合成することができる可能性が示された。

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