2020 年 74 巻 1 号 p. 38-43
Ca(NO2)2、ジエタノールイソプロパノールアミンや両者を併用した添加剤を添加した高炉スラグ高含有セメントの水和物(HVBFSC)とその組成について無添加の場合と比較して検討した。硬化したHVBFSCの水和物は、いずれの添加剤を添加しても変化せず、ケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)および水酸化カルシウム、AFtと少量のAFmとハイドロタルサイト(HT)であった。SEM-EDSの点分析によりMg/SiとAl/Siの関係からHTのMg/Alを求め、Alを補正しAl/Caを求めた。Si/CaとHTを補正したAl/Caとの関係から求めたC-S-HのCa/Siは、添加剤の有無や種類に関係なく約1.3程度であった。添加剤を添加すると高炉スラグの反応が促進され、C-S-HのAl/Siが無添加より0.02~0.05大きな値を示し、Ca/(Si+Al)は無添加に比べてわずかに小さい値を示した。