2021 年 75 巻 1 号 p. 240-246
本研究では、基材コンクリートに吸水調整材を塗布して作製したポリマーセメントモルタル被覆コンクリートにおけるポリマーセメントモルタル(PCM)の接着強さおよび基材コンクリートの中性化抵抗性に及ぼす吸水調整材の塗布量の影響について検討している。その結果、PCM被覆コンクリートにおいて、基材コンクリートに対する吸水調整材の塗布により、PCMの接着強さおよび基材コンクリートの中性化抵抗性が改善され、それらの改善効果は吸水調整材の塗布量(固形分量)の増加に伴い向上する。また、PCM被覆コンクリートにおいては、被覆PCMの中性化後においても、PCM相はCO2の透過抑制効果を有し、吸水調整材塗布との相乗効果が発揮される。