セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
セメント硬化体のCO2吸収と生成物の変化
梅津 真見子黒川 大亮森 泰一郎坂井 悦郎
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2021 年 75 巻 1 号 p. 34-41

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抄録

炭酸化による普通、中庸熱および低熱ポルトランドセメント(PC)硬化体のCO2吸収量や生成物の組成変化について検討した。いずれの場合にも炭酸化によりカルサイトとバテライトおよびゲル状水和物を生成した。また、生成したゲル状水和物のSi/Ca比は大きく、広く分布していた。LHCやMPCでは炭酸化によりエトリンガイト(AFt)が分解するが、ゲル状水和物とSO3成分との反応によりAFtが再生成すると推定された。PC中のエーライトの反応は炭酸化により変化しないが、ビーライトの反応は促進された。セメント硬化体のCO2吸収量は炭酸カルシウムとして固定されたCO2量より大きな値を示し、10~20%程度が炭酸カルシウム以外の化合物として固定化されている。

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