茶業研究報告
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釜炒り製玉緑茶ならびに蒸し製玉緑茶の分光測色による特徴解析
宮崎 秀雄山口 幸蔵内野 敏剛
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2009 年 2009 巻 107 号 p. 107_51-107_60

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抄録

釜炒り製玉緑茶ならびに蒸し製玉緑茶と普通煎茶について,同じ原料生葉を用いて作り分けを行い,分光測色により色沢(荒茶の分光反射率)および水色(浸出液の分光透過率)の特徴を数値化して比較した。荒茶の分光反射率は,全波長域において普通煎茶が高く,次いで蒸し製玉緑茶,釜炒り製玉緑茶の順となった。釜炒り製玉緑茶は普通煎茶と比較してL*値(明度)およびb*値は小さく,a*値は大きい値を示した。また,蒸し製玉緑茶は普通煎茶と比較して,L*値およびb*値は小さく,a*値には差がなかった。茶期による違いでは,L*値およびb*値で一番茶より二番茶が高くなり,被覆条件の違いではL*値とa*値で茶種(製茶工程)との交互作用が認められた。茶浸出液の分光透過率は,全波長域において釜炒り製玉緑茶が高く,L*値は他2者に比べ有意に大きかったものの,b*値は小さかった。また,蒸し製玉緑茶の浸出液は普通煎茶のそれとL*a*b*表色系の全ての値において有意差は認められなかった。

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© 2009 日本茶業技術協会
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