2009 年 2009 巻 107 号 p. 107_61-107_69
乳酸菌による茶葉中でのγ-アミノ酪酸(GABA)の生産を目的に,新たにGABA生産性の高い菌を検索すると共に,乳酸菌の茶葉中での生育条件とGABA生産及び緑茶カテキンの変化について検討した。
その結果,GABA生産性の高い乳酸菌L.brevis L12を得ることができた。さらに,L. brevis L12を10%茶懸濁液中で25°C,4日間培養することにより,ギャバロン茶とほぼ同量のGABAを含む新しい茶を作ることが可能になった。しかし,乳酸菌の生育向上の為グルコースを添加した場合,GABAは生成しなかった。
GABAの豊富な茶葉生産時,茶葉中のグルタミン酸から理論変換量以上のGABAが得られた。原因として,茶葉中のグルタミン酸のアミド誘導体がグルタミン酸を経てGABAとなっている可能性が示唆された。