有機茶栽培を支援するため,有機質肥料のみによる施用について検討した。
年間窒素施用量50kg/10aの条件下において,寒肥を含めた春肥重点型の有機質肥料のみによる施肥を行うと,慣行施肥と比べて,収量への影響はほとんどなかったが,1,2年目の一,二並びに三番茶で品質が低下した。しかし,3,4年目は,一,二並びに三番茶で慣行施肥と同等の品質になった。この要因として,土壌中のタンパク質様窒素の増加により,持続的に無機化する窒素吸収量やタンパク質様窒素の直接吸収量が増加したためと考えられた。また,有機質肥料のみによる施肥を行うと,土壌中の放線菌や細菌の増加も認められた。ただし,肉骨粉の施用は,土壌中のリン酸やカルシウムを増加させるため注意が必要である。