2012 年 2012 巻 113 号 p. 113_77-113_80
釜炒り茶製造工程全体における必要熱量を計算した。荒茶1kgを製茶するのに必要な供給熱量は,煎茶が約28,000kJであるのに対して,釜炒り茶は,炒り葉→揉捻→水乾→締炒→乾燥の工程で約32,000kJ,炒り葉→揉捻→中揉→締炒→乾燥の工程で約25,000kJ,炒り葉→粗揉→揉捻→中揉→締炒→乾燥の工程で約26,000kJであった。釜炒り茶製造工程の熱効率向上のためには,水乾工程において水乾機の代わりに中揉機を導入するのが有効と思われるが,これでは釜炒り茶の特徴が失われる可能性があるため,水乾機の熱効率の改善が急務と考えられる。