茶業研究報告
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夏茶に含まれる香気寄与成分
水上 裕造崎原 敏博遠矢 聡志内村 浩二
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2014 年 2014 巻 117 号 p. 117_27-117_33

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抄録

夏茶に含まれる香気寄与成分の特定を目的として,その茶葉自体,ヘッドスペースおよび浸出液から香気エキスを得て,希釈分析を行った。茶葉自体の香気エキスに爽快なグリーンノートが認められたが,ヘッドスペースと浸出液から得られた香気エキスに夏茶臭が認められた。今回,茶の新たな香気寄与成分として2-isopropyl-3-methoxypyrazine(土臭い)と2-sec-butyl-3-methoxypyrazine(土臭い)を特定した。AEDAにより,ヘッドスペースの香りに最も強く影響する成分はFDf1000で(Z)-1,5-octadien-3-one,2-isobutyl-3-methoxypyrazine,3-methylnonane-2,4-dione,の3成分であった。浸出液ではこれら3成分に加え,(E,Z)-2,6-nonadienalがFDf1000で影響した。

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© 2014 日本茶業技術協会
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