茶業研究報告
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煎茶の火入れによる香気寄与成分の変動
水上 裕造
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2015 年 2015 巻 119 号 p. 119_13-119_20

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抄録

火入れにより変化する香気寄与成分を特定した。AEDAから,火入れにより20成分のFDfが増加し,2成分のFDfが減少した。中でも,4-mercapto-4-methyl-2-pentanone,2-ethyl-3,5-diemthylpyrazine,furaneolの3成分は火入れにより増加し,高いFDfで検出され,火入れで形成される重要な香気寄与成分であった。一方,(Z)-3-hexenalと(E,E)-2,4-heptadienalは火入れにより減少し,FDfも低く検出された。原料の違いや用いる火入れ機によって煎茶の芳香は異なるが,特徴を捕らえるためにもデータの蓄積が必要である。

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© 2015 日本茶業学会
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