2015 年 2015 巻 119 号 p. 119_39-119_44
茶園土壌で近年,集積傾向がみられる有効態リン酸と交換性カリを簡易に低コストで測定することを目的に抽出試薬と分析試薬の簡素化を検討した。すなわち,これまで両成分で異なっていた抽出試薬を0.002N硫酸(0.3%の硫酸アンモニウムを含む)に一本化した。分析試薬は市販のリン酸とカリの水質分析キットを用いた。有効態リン酸は比色法,交換性カリは比濁法で,ともにLED(有効態リン酸:660nm,交換性カリ:520nm)を光源とする簡易比色計で測定した。その結果,試薬調製の時間や手間が少なくなるとともに,土壌中の有効態リン酸および交換性カリ含量の過剰域の推定が可能となり,今後の両成分の施肥設計に活かせる手段となり得ると判断した。